自動車と環境問題というと、「エコドライブ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、環境にやさしい運転は、燃費向上だけでなく、事故防止や安全性の向上にも深く関係しています。
今号では、環境保全の視点から見た安全運転について考えてみましょう。

エコドライブは身近な環境対策

環境に配慮した運転方法として広く知られているのがエコドライブです。
これは、燃料消費を抑え、CO₂排出量の削減につながる取り組みで、環境省が提唱する「エコドライブ10のすすめ」では、次のような行動が推奨されています。

  1. 燃費を意識する
    日頃から燃費を確認することで、運転の改善効果を実感できます。
  2. 穏やかな発進を心がける
    発進時は「ふんわりアクセル」を意識し、最初の数秒で時速20km程度を目安にすると燃費向上が期待できます。
  3. 十分な車間距離を保つ
    車間距離に余裕があれば、急な加減速が減り、燃費の悪化を防ぐことができます。
  4. 早めのアクセルオフで減速
    エンジンブレーキを活用することで、無駄な燃料消費を抑えられます。
  5. エアコンは適切に使用する
    冷やしすぎは燃費悪化の原因になります。設定温度に注意しましょう。
  6. 不要なアイドリングを控える
    停車中のエンジン停止は、燃料の節約につながります。
  7. 渋滞を避けた計画的な運転
    出発前に道路状況を確認し、余裕をもった行動を心がけましょう。
  8. タイヤの空気圧を適正に保つ
    空気圧不足は燃費悪化だけでなく、安全性の低下にもつながります。
  9. 車内の荷物を減らす
    不要な積載物は燃費に影響します。使わない荷物は降ろしましょう。
  10. 交通の妨げとなる駐車をしない
    不適切な駐車は渋滞を招き、結果的に環境負荷を高めます。

これらはどれも、特別な装備を必要とせず、日常の運転で実践できることばかりです。

カーエアコンのフィルター点検も大切

エコドライブと安全運転の両方に関わるのが、カーエアコンのフィルターです。
フィルターの交換目安は、一般的に1年に1回、または走行距離1万〜2万kmとされています。

フィルターが汚れたままだと、エアコンの効きが悪くなり、余分なエンジン負荷がかかって燃費が低下します。
また、フロントガラスの曇りが取れにくくなり、視界不良による事故のリスクも高まります。

湿度が高くなる時期にはカビが発生しやすく、車内の悪臭の原因にもなります。
快適で安全な車内環境を保つためにも、定期的な点検・交換を心がけ、難しい場合は整備業者に相談しましょう。

タイヤの摩耗と環境への影響

走行を続けるうちにタイヤは少しずつすり減りますが、その際に発生する摩耗粉じんは、大気汚染やマイクロプラスチックとして環境問題につながる可能性があります。

近年は、タイヤメーカーによる素材改良や構造設計の工夫により、摩耗量は着実に減少しています。
一方で、タイヤの減り方は車両重量だけでなく、運転の仕方にも大きく左右されます。

急発進や急ブレーキが多い運転ほど、タイヤは早く摩耗します。
逆に、穏やかな加速・減速を心がけることで、タイヤの寿命を延ばし、粉じんの発生を抑えることができます。

環境にも人にもやさしい運転を

エコドライブは、燃費改善やCO₂削減といった環境面のメリットだけでなく、事故防止や車両の長寿命化にもつながります。
日々の運転を少し見直すことが、環境保全と安全運転の両立への第一歩です。
環境にも人にもやさしい運転を、今日から意識していきましょう。

記事出典:損保ジャパン「Monthly Report」