年末年始は、忘年会や新年会などでお酒を飲む機会が増える時期です。
ドライバーにとって「飲酒運転」が重大な犯罪行為であることは言うまでもありませんが、同時に注意したいのが酒に酔った歩行者の存在です。
酔った歩行者は予測しにくい行動をとることが多く、特に夜間は重大事故につながる危険性が高まります。今回は、酒酔い歩行者に着目し、夜間の歩行者事故を防ぐポイントを整理します。

夜間に多い歩行者死亡事故の傾向

警察庁が公表した「令和5年における交通事故の発生状況」によると、65歳未満の歩行者の死亡事故では、「横断中」が最も多く、次いで多いのが「路上横臥(ろじょうおうが)」です。
特に路上横臥による事故は、その大半が夜間に発生しており、さらに飲酒が関係しているケースが8割以上を占めています。

また、「令和6年上半期における交通死亡事故の発生状況」を見ても、夜間の65歳未満の歩行中死者数で最も多いのは路上横臥で、そのうち約7割が飲酒ありでした。
次に多い「横断歩道以外を横断中」の事故でも、飲酒が関係する割合は5割を超えています。これらの事故類型はいずれも、前年同時期より増加しています。

路上に横たわる人は非常に発見しづらく、仮に気づいても人なのか物なのか判別しにくい場合があります。直前で人だと分かっても、回避が間に合わないケースも少なくありません。
夜間、飲食店が多いエリアやその周辺を走行する際は、歩行者だけでなく「路上に倒れている人がいるかもしれない」という視点を持つことが重要です。

※路上横臥:泥酔や居眠りなどにより、道路上に横たわっていた状態で発生した事故

事故類型別歩行中死者数(65歳未満)

出典:令和5年における交通事故の発生状況について(警察庁交通局)

夜間の歩行者事故を防ぐために

夜間の安全運転では、次の点を意識しましょう。

酒に酔った歩行者は、周囲への注意力が低下し、ふらつきや急な動きをすることがあります。
ハイビームとロービームを適切に使い分け、できるだけ早く歩行者を発見しましょう。歩き方が不自然な人を見かけたら、動きを予測しながら速度を落とし、十分な側方間隔を確保することが大切です。

夜間は速度感覚が鈍り、知らないうちにスピードが出やすくなります。
こまめにスピードメーターを確認し、繁華街や住宅地、生活道路では特に慎重な速度で走行しましょう。

暗い道路では、歩行者からは車のライトしか見えず、距離やスピードを正しく判断できないことがあります。
歩行者を見つけたら「急に横断してくるかもしれない」と予測し、早めに減速・警戒することが事故防止につながります。

記事出典:損保ジャパン「Monthly Report」