警察庁が公表した「令和6年における交通事故の発生状況」によると、交通事故の総件数および死傷者数は前年より減少しています。一方で、「発生から30日以内の死者数」や、「ながら運転・飲酒運転に起因する死亡・重傷事故」は増加しており、重大事故のリスクは依然として高い状況にあります。今回は、これらの傾向を踏まえ、事故の特徴と具体的な対策について整理します。
なお、令和6年の交通事故死傷者数は前年比21,215人減少したものの、「30日以内死者数」は2年連続で増加しています。
交通事故の傾向と特徴

近年、「ながら運転」による死亡・重傷事故は増加傾向が続いており、令和元年の道路交通法改正(厳罰化)以前の水準を上回っています。
また、その他の特徴として、以下の傾向が見られます。
- 自転車乗用中の事故は全体として減少傾向にあるものの、若年層では負傷者、高齢者では死者の割合が高い
- 75歳以上の高齢運転者による単独事故は、75歳未満と比較して約2.5倍と高い水準
- 飲酒運転による死亡事故は前年比で約25%増加
これらの結果から、事故件数の減少とは裏腹に、事故の「質」がより深刻化していることが読み取れます。
携帯電話使用による事故リスクの拡大
携帯電話等を操作しながら運転したことによる死傷事故は、20~30代が全体の半数以上を占めています。この層はデジタル機器に慣れた世代である一方、操作への心理的ハードルの低さが事故リスクにつながっていると考えられます。
今後は、交通安全教育に加え、職場内での注意喚起や同乗者からの声掛けなど、日常的な意識づけを通じて「ながら運転」の危険性を継続的に浸透させていくことが重要です。

出典:警察庁「令和6年における交通事故の発生状況について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/jiko/R06bunseki.pdf
自転車事故を防ぐための視点
警察庁の資料では、自転車事故にも注目が集まっています。特に15~19歳では負傷事故が多く、その背景として自転車運転中の「ながら操作」が増加傾向にあり、その約6割を19歳以下が占めています。
一方、65歳以上では死亡事故の割合が高く、特に飲酒運転による事故は50代以上が約6割を占めるなど、年齢層ごとに異なるリスクが存在します。
自転車利用者の中には、交通ルールの理解が十分でないケースも少なくありません。そのため、自動車運転者側には、以下のような防衛運転が求められます。
- 自転車利用者の法令遵守意識のばらつきを前提とした危険予測運転
- 見通しの悪い交差点や生活道路では、飛び出しを想定した減速・徐行
- 構内や駐車場から公道へ出る際の一時停止と安全確認の徹底
記事出典:損保ジャパン「Monthly Report」

