前回の記事では、交通信号の色や点滅の意味、さらに信号機が設置されていない、または作動していない交差点での優先関係について確認しました。
今回はその中でも、信号のない交差点(無信号交差点)に注目し、事故が起こりやすい理由と、どのような点に注意すべきかを具体例から考えていきます。
事故は「身近な小さな交差点」で多発している

警察庁が公開している「交通事故統計情報のオープンデータ」※では、全国の事故発生地点や事故の種類を把握することができます。
このデータをもとに分析した報道によると、2019~2020年に発生した人身事故のうち、約28万件が交差点付近で起きており、その約6割が無信号交差点での事故でした。
特に歩行者や自転車が関係する事故を、道路幅や速度規制別に整理すると、
「車道幅が13メートル未満で、規制速度が時速20~40キロ以下の小・中規模の交差点」に事故が集中していることが分かっています。
たとえ速度規制が明確でない場所でも、道路が狭いなど比較的小さな交差点ほど事故が起こりやすい傾向が見られます。
※警察庁, 交通事故統計情報のオープンデータ https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/opendata/index_opendata.html
事故が起こりやすい無信号交差点の共通点
過去5年間に10件以上の事故が発生した無信号交差点を詳しく見ると、いくつかの共通した特徴が浮かび上がります。
見通しが悪く、安全確認が難しい
建物や地形、橋脚などが視界を遮り、左右の確認がしづらい交差点が多く見られます。
カーブミラーが設置されていても、位置が遠かったり、交差角度が鋭角だったりすると、停止線の手前からでは十分な確認ができない場合があります。その結果、交差点内に進入してからでないと状況が把握できず、危険が高まります。
直線道路で油断しやすい
非優先道路であっても、直線が続き見通しの良い道路では事故が起こりやすい傾向があります。
「つい速度が出てしまう」「朝日や西日で視界が妨げられる」といった要因に加え、もともと直線道路だった場所に新たな道路が接続され、交差点ができたケースもあります。慣れた道路ほど、交差点があることを意識しにくくなる点がリスクとなります。
このほか、五差路など形状が複雑な交差点や、高速道路・幹線道路から分岐してすぐの交差点などでも、事故が多発する傾向があるとされています。
無信号交差点で事故を防ぐために
無信号交差点を安全に通過するため、次の点を意識しましょう。
- 見通しが悪い、鋭角に交差している、形状が複雑といった交差点では、車や歩行者、自転車の接近に気づきにくいことがあります。
交差点の構造をよく把握し、カーブミラーの情報を慎重に読み取りながら、死角を意識してゆっくり進行しましょう。安易な「見切り発車」は非常に危険です。 - 一見、安全そうに見える交差点でも油断は禁物です。
自分が走っている道路が優先か非優先かを常に意識し、特に非優先道路側の場合は、左右の安全確認を徹底しましょう。接近車両があるときは、徐行や一時停止を確実に行い、進行を妨げない運転を心がけることが大切です。
記事出典:損保ジャパン「Monthly Report」

